2017年8月15日火曜日

【書評】池井戸潤『下町ロケット』(小学館文庫)

時代劇風のストーリー?


 半沢直樹ですっかり人気作家になった池井戸氏の代表作の一つ。高い技術力を持つ小さな町工場が、大手メーカーの妨害や圧力を跳ね返し、社長の夢であるロケットエンジンの製作を実現させる。
 一難去ってまた一難。大企業の狡猾な手口により、理不尽な要求が次々と突きつけられる。これを真っ正面から退けるという、昭和の香りのするストーリーになっている。判官贔屓のわれわれ日本人は、おおいに溜飲を下げることができる。
 この単純さ、まっすぐさが池井戸小説の人気の秘訣なのだろう。時代劇に似た雰囲気を感じるのは私だけだろうか。



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