2017年5月5日金曜日

【書評】上橋菜穂子『獣の奏者 闘蛇編』(講談社)

上質のファンタジーなのは周知の通り
しかし本作の真の魅力はそれを超えたところにある


 以前から読みたいと思っていた上橋氏の作品。娘がそろそろ読めるかなと、娘も読めるように「青い鳥文庫」を購入した。

 本作が子どもも大人もたのしめる素晴らしいファンタジーであることはすでに広く知れ渡っている。前評判や期待が大きいと「あれ?」と思うこともしばしばだが、本作は期待を裏切らない。
「ファンタジーって、どういうもの?」
という問いには、この作品を答えとすれば十分だろう。そう、これこそがファンタジーだ。

 しかし、ここまで持ち上げておいて何だが、本作の真の魅力はファンタジー以外の要素にある。本作は、ファンタジーを舞台とした「生き物賛歌の物語」であると断言したい。生とは何か、生き物とは何か、そして人間とは何か。人間と他の生き物は何が違うのか、もしくは違わないのか。人間が他の生物を従えることは果たして正しいのか。第一部の闘蛇編で、その問いが投げかけられる。
 今後、その問いにどのような答えが提示されるのか。続きが楽しみだ。



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