2017年3月14日火曜日

【書評】梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』(角川文庫)

さまざまな国から土耳古に集まった若者と神様たちの物語


 時は第一次大戦直前、場所は土耳古(トルコ)のスタンブール(イスタンブール)。だから滞土(トルコ)録なのだ。かの地のとある下宿に集まった若い日本人、独逸(ドイツ)人、希臘(ギリシャ)人。そこに下宿の持ち主の英国人女性と、イスラム教徒の執事(奴隷)と鸚鵡(オウム)が同居する。
 大戦前のきな臭い国際情勢のなか、友好を深めてゆく日本人と独逸人と希臘人。とはいえ硬派な社会派小説ではなく、梨木ワールド全開。日本のきつねの神様(お稲荷さん)やトルコの遺跡で眠っていた龍の神様が登場し、ほのぼのと温かい神様たちの様子が描かれる。いやそうではなく、神様という言葉が誤解を招くのだ。どういう意味かは読んでのお楽しみ。
 最後の章にも心が温まった。そこにつなげるとは。



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