2016年12月13日火曜日

【書評】宮部みゆき『地下街の雨』(集英社文庫)

短編でも切れ味はそのまま


 表題作を含む7編が収められた短編集。宮部氏の短編集は初めて読んだ。
 各話とも少しオカルトな設定。少々ブラックでシニカルなオチの作品が多く
「うへっ、そう終わるか」
という読後感だ。長編で見せる研ぎ澄まされた切れ味は、短編でも衰えない。

 最も恐ろしいのは『混線』という作品。こういうホラーな話も書けるところは、さすが宮部氏だ。寝る前に読むなら、トイレを済ませておくことを勧めておく。



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