2016年5月23日月曜日

【書評】東野圭吾『白銀ジャック』(実業之日本社文庫)

珍しく犯人を当てた! と思わせておいて、さらにその上をいくのが東野小説



 スキー場に埋めた爆弾をネタに、大金を要求する脅迫状が届く。スキー場側は、警察には内密に処理することを決め、秘密裏に現金を用意する。現金の受け渡しはもちろんゲレンデ。スキーヤーとボーダーの、追いつ追われつの滑走劇が本作の見所の一つだ。
 主要登場人物は、少数精鋭。3名のスキー場職員を軸に、ゲレンデで家族を亡くした父子、謎の老夫婦、大会に出場するためにゲレンデにこもる女性ボーダーとその従兄弟。怪しいようで怪しくないようなメンツが絡み合う。

 犯人との駆け引き、脅迫、民間人の保護など、昨年映画化された「天空の蜂」と重なる雰囲気だった。
「映像化に向いた作品だよなあ」
と思っていたら、案の定、ドラマ化されていた。

 脅迫者はどこにいるのか。そして、その真の目的は。ページをめくる手は止まらず、あっという間に終盤へ。ここで珍しく
「脅迫者は、おそらくこのあたりかな」
とひらめいた。東野氏のどんでん返しを、ついに読み切ったかも!
 そしてラストへ。脅迫者は私の予想通りだった。
「やった。ついに東野氏を超えた(?)」
という喜びもつかの間。またしても、東野氏にしてやられた。
 むむう。次こそは、どんでん返しを読み切ってみせるぞ。




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