2014年12月11日木曜日

映画評 『アーティスト』

ウィンクを「飛ばす」とは、こういうことを言うのね


 2011年のアカデミー賞で作品賞を初め5部門を受賞した映画。無声映画なので
「映画通にしかその面白さは分からないのではないか」
とちょっと敬遠していたのだが、とんでもない間違いだった。

 役者陣、特に主演男優・女優の演技には脱帽だ。台詞は聞こえなくても、体の動き、表情、目の動きなどから、ビシバシとメッセージが伝わってくる。主演男優・女優とも「映画の中の役者」の役なので、演技をする人の演技をしなければならないわけだが、これが何の違和感もなく演じられている。参りました。
 特に主演女優のウィンクと投げキッスには魂を奪われた。ウィンクを「飛ばす」という表現があるが、なるほど、これがそうなのか。こんなウィンクや投げキッスを飛ばされたら、骨抜きになること請け合いである。だれか私に飛ばしてくれないだろうか。

 最後のシーンもよかった。
「with pleasure」
決め台詞に使ってみたいなあ。

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