2013年2月26日火曜日

書評 夏目漱石『こころ』(青空文庫)

 先日、タブレットなるものを購入。じゃあ電子ブックデビューでもしてみるかということで、本書を読んでみた。

 友情、恋愛、死。人間の「こころ」にかかわる三大テーマが、これでもかと読み手を突き動かす。読み味は軽いが、それが逆に心を締め付けてくる。卑怯な手を使って、女をものにした自分。潔く身を引いて自死を遂げた親友。これほど重い状況はないだろう。これらの他にも、親子関係、夫婦関係、社会との関係など、人間の「こころ」を形成するテーマが重層的に混ざり合い、ズシズシと心に響く。
 「こころ」をテーマにした小説に、新しいも古いもない。いいものはいい、ということを改めて感じた。

 著作権が切れたためとはいえ、こんな名作が無料で読めるのだから、素晴らしい時代になったものだ。読まなきゃ損だ(←いままで40年間読んでなかったくせに)。




にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿

【ずっとこのままがええなあ…】滋賀のおっさんランナーのランニング週報:2024年3月18~24日の記録

 2017年7月、45歳を目前に、突如ランニングを始めた。現在は51歳。  2020年12月の神戸トライアルマラソンでサブ3を達成! 自己ベストは2024年3月のびわ湖マラソンの2時間54分台。 ◆総 評◆  びわ湖マラソンが終わって2週目もジョグのみ。週間走行距離は42...