2012年10月31日水曜日

書評 平野啓一郎『ドーン』(講談社文庫)

 タイトルの「ドーン」とは、小説中の有人火星探査プロジェクトの名称。そのプロジェクトに参加した日本人宇宙飛行士の佐野明日人が主人公である。

 2030年代という近未来が舞台。火星探査中に宇宙船内で起こった事件の謎、アメリカ大統領選、アメリカ軍が極秘に開発した新種マラリアに関する情報戦などが絡み合い、下手なミステリー顔負けのドキドキ感を堪能できる。
 それが縦糸とするなら、横糸は「分人(ディヴィジュアル、dividual)」という概念だ。英語で個人のことを「individual」というが、小説中では,個人はindividual(分けられないもの)ではなく、さまざまな分人(dividual;分けられるもの)を使い分けて生活している。
 今でも「キャラを使い分ける」という言い方があるように「学校や会社での自分」「家庭での自分」「恋人といるときの自分」などを意識的に、あるいは無意識に使い分けているが、それがもっと進んだかたちと言えばよいだろう。それぞれの分人にはそれぞれの歴史があり、ときには分人ごとに顔まで使い分けたりする。

 そういう舞台を設定しておいて「個人とは何なのか」が追求される。個人は分人に分割できるのか、それとも自分はやはり自分であって、分割できないものなのか。
 主人公の明日人は火星探査の後遺症のため精神に異常をきたしてしまう。その明日人が最後に選んだ結論とは。

 以上のようにテーマは重いが、かといって読みにくくはなく、グイグイとストーリーに入り込んでいける。平野氏の作品はデビュー作の『日蝕』を読んで以来だが、(偉そうな言い方だけど)ずいぶんとこなれてきた印象だ。肩の力が抜けてきたとでも言ったらよいのだろうか。

 なお、平野氏の「分人」という発想は本書に特有のものではなく『決壊』『ドーン』『かたちだけの愛』という三部作になっているそうだ。また今年の9月に『私とは何か ―「個人」から「分人」へ―』という新書が刊行されている。おそらく、平野氏の「分人観」が小説ではなく新書というかたちで書かれているのだろう。是非読んでみたい。




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2012年10月29日月曜日

書評 東野圭吾『ガリレオの苦悩』『予知夢』(文春文庫)

 ともにガリレオ湯川モノである『ガリレオの苦悩』と『予知夢』を、たまたま続けて読んだので、まとめて感想を書いておく。

 ガリレオ湯川と言えば加賀刑事と並ぶ東野小説の代表であり、『容疑者Xの献身』でブレイクしたのはご存じの通り。今回取り上げる2冊のうち、『苦悩』は『容疑者X』よりも後の作品で、『予知夢』は前の作品である。両書ともに短編集である。

 ガリレオ湯川は帝都大学の物理学科の准教授で、その理系知識を生かし、旧友である草薙刑事のもってくる事件を解決する。草薙刑事をはじめ、その上司からも信頼を得ており、堂々と警視庁の捜査に参加できるところが浅見光彦との違いである。民間人が警視庁の捜査に協力するなどあり得ない話だろうが、事件の度に
「あんたは、どこの誰だね。あ?」
というところから話が始まるのも確かにうっとうしい。

 ガリレオシリーズの特徴は、トリックが理系的・科学的に解決されるところだ。確かに一般的には、科学的に事件が解決されると納得はいくだろう。
「犯人は、魂を悪魔に乗っ取られた男でした」
などというオカルトミステリーよりも
「犯人はこういうトリックを使って、アリバイをねつ造した」
という説明のほうがある意味スッキリする。
 しかし、小説というのはスッキリすればよいというものではない。トリックに科学を用いると、理路整然と事件は解決するのだが、下手に用いると「無味乾燥」になってしまう。
 ガリレオシリーズのすごいところは、トリックに科学を用いつつ、決して無味乾燥にはなっていないところだ。トリックは確かに科学的に解決されるのだが、動機などの人間くさい部分が緻密に組み立てられているため、無味乾燥に陥らないのだ。ミステリーは、事件がスッキリ解決すればそれでいいわけではないのである。

 今回取り上げた『苦悩』と『予知夢』の違いにも少し触れておきたい。
 上にも書いたように『容疑者X』の前と後という違いがある。『容疑者X』後である『苦悩』の湯川のほうが、洗練されていてオシャレな雰囲気になっているように思う。これは、福山雅治のオーラによるものなのだろうか。実に興味深い。

『容疑者X』以外にはガリレオ湯川モノは読んだことがない人は、是非、他のガリレオ作品も読んでみてほしい。『容疑者X』のほうがむしろ特殊な作品で、その他がガリレオの王道だということが分かるだろう。





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2012年10月28日日曜日

2012天皇賞・秋、スワンS 予想の回顧

 土曜は京都でスワンS。
 ◎レオアクティブはスタートは普通に出たのだが、行き脚がつかず、最後方へ。内枠の先行馬が残りやすい今の京都では、これは厳しい。直線では大外に持ち出して最速の上がりで差してきたが、9着。1400 mは短いのか。

 日曜は天皇賞・秋。予想通りシルポートが大逃げをうった。2番手にはカレンブラックヒル。◎フェノーメノは、そこから3~4馬身後方の4番手。絶好位に見えた。
 直線までその隊列で進む。フェノーメノは先に抜けたカレンを標的にジリジリと迫っていくが、そこを最内からエーシンフラッシュが突き抜けた。シルポートをかわそうとカレンが外に持ち出したところを内に潜り込んだ。デムーロ恐るべし。
 フェノーメノは、粘るカレンをかわして2着でゴール。馬券は首尾良く馬連をゲットした。

 残念だったのはカレンブラックヒル。先行馬には厳しい流れだったところを、早めに前を捉まえにいったのだから、最後は脚があがっても仕方ない。枠順にも泣いた。次走はおそらくマイルCSだろうが、秋山騎手が乗るなら本命に推そうと思う。

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2012年10月27日土曜日

2012天皇賞秋 オレの予想を聞いてくれよ

 今週は天皇賞・秋。
 秋の天皇賞といえば思い出すのが、メジロマックイーン。1番人気に応えて見事に1着でゴールしたのだが、1コーナーで走行妨害があったとして降着になった。そのときの枠順が7枠13番。

 そして今年のレース。1番人気はどうやらカレンブラックヒルのようだ。私もNZT、NHKマイルC、毎日王冠と3戦続けて本命に推し、全て期待に応えてくれた。こういう馬は追いかけ続けなければならない…のは分かっているのだが、枠順が悪い。前に行くこの馬にとって、8枠16番はいかにもつらい。
 この10年、8枠から連対したのは、9年前のシンボリクリスエスのみ。7枠はぼちぼち連対しているが、ゼンノロブロイ、ダイワメジャー、ウオッカという一流馬たち。7枠、8枠から連対するのがいかに難しいかが分かる。というわけで、カレンブラックヒルは泣く泣く評価を下げる。心情的には、是非応援したいのだけど…。

 代わって本命は◎フェノーメノ。このレースで連対した3歳馬は、第1回の勝ち馬ハッピーマイトを含め、近年はバブルガムフェロー、ジェニュイン、シンボリクリスエス、ダンスインザムード、ペルーサと、すべて関東馬(抜けがあったらすみません。藤沢厩舎が多いなあ)。2枠4番の絶好枠も引いたここは、鋭く突き抜けてほしい。
 推奨穴馬はサダムパテックトゥザグローリー。鉄砲得意の両馬が怖い。

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2012年10月26日金曜日

2012スワンステークス

 京都の土曜メインはスワンS。天皇賞の前日に行われるのが恒例となっているGIIだ。Wikipediaによると、1958年創設のたいへん歴史のあるレースだそうだ。また、1984年にマイルCSの前哨戦となってから、今年までずっとその位置づけを守っている。重賞の日程がコロコロ変わる中で、こういうレースがあるとホッとする。

 しかし、レースの性質はずいぶんと変わってきたように思う。以前はサクラバクシンオー、ヒシアケボノ、スギノハヤカゼが3年連続で日本レコードを更新したようにレベルが高く、マイルCSのメイン前哨戦であり、本番との結びつきも強かった。
 ところがここ10年は、ここをステップにマイルCSを勝ったのは一昨年のエーシンフォワードのみ。それも、スワンSで8着→マイルCSで1着という、ダークホースだった。いまや、天皇賞や毎日王冠に前哨戦の立場を奪われてしまったということだ。失礼ながら、今年のメンバーを見ると、その流れは止まっていないようだ。

 さてレースにいってみたい。上にも書いたように、本番(マイルCS)でのダークホース決定戦といった様相だ。
 このメンバーなら◎レオアクティブが頭一つ抜けている。今年の3歳馬の活躍は周知の通り。重賞2勝、GI3着の実績はここなら大いばりだ。
 推奨穴馬はショウリュウムーンスプリングサンダーの2頭。秋は熟女の季節(ウソです。そんな格言はありません)。5歳牝馬の激走がないか。

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2012年10月21日日曜日

2012菊花賞、富士S、室町S 予想の回顧

 土曜は東京で富士S。
 ◎ガルボは4、5番手からと、予定通りの位置取りか。直線は内を突いて一瞬伸びかけるが、最後はジリジリになり、6着。休み明けの分か。

 京都では室町S。
 ◎マルカベンチャーは予想外の1番人気。4コーナーで大外をブン回す強引な競馬だったが、それでも直線はグイグイ伸びてきてハナ差まで追い詰めたところがゴール。なんぼ何でも、外を回しすぎでは。
 馬券は1着のティアップワイルドを押さえておらず、ハズレ。
 なおご存じのように、このレースは3着が3頭の同着になるというオマケがついた。2頭の同着は何度も見たが、3頭は初めてだ。驚いた。もし、5頭が1着同着になったら、どうなるんだろうか。

 日曜は菊花賞。
 ◎ゴールドシップは最後方から。道中は馬群が団子状態になる明らかなスローペース。
「いくら何でも最後方はマズイのでは…」
と心配していると、何とゴールドシップが向こう正面でグイグイ順位を上げていく。菊花賞で坂の頂上から動いて勝った馬は見たことがあるが、坂の登りで仕掛けていった馬は記憶にない。
「おいおい、大丈夫か」
という心配をよそに、直線入り口で先頭に立つとそのまま押し切った。力が違ったということなのだろうが、強引なレースだったように思う。しかし、勝てば官軍。ウチパク騎手の好判断ということになるのだろう。
 馬券はスカイディグニティをチョロッと押さえていたが、トリガミ。

 本命決着とはいえ、今秋のGIは今のところ3戦3勝(一つはトリガミだが…)。この調子で来週の天皇賞に向かいたい。

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2012年10月20日土曜日

2012菊花賞 オレの予想を聞いてくれよ

 いよいよ今年も菊花賞の時期になった。ご存じ、京都の誇る長距離GIレースの一つである。
「強い馬が勝つ」とよく言われるが、その通りだったと思う。ここを勝った馬は、菊花賞では穴人気でも、その後、GI戦線で活躍する。マンハッタンカフェやヒシミラクルがその代表例だ。メジロマックイーンも菊花賞では4番人気だった。
 ところがここ数年「一発屋」の菊花賞馬が増えているように思う。現役馬のオウケンブルースリやビッグウィークがその例だ。ここ10年の勝ち馬を見ると、ディープインパクトとオルフェーヴルの両三冠馬以外では、このレースの後にもGIを勝ったのはヒシミラクルしかいないのではないか。
 菊花賞馬がこんなことではイカン。今年の勝ち馬には、是非今後も大活躍をしてもらいたい。

 さて今年のレース。ディープブリランテのリタイヤによって一本かぶりの人気になってしまったが、◎ゴールドシップで仕方なかろう。非常に荒れている印象がある菊花賞だが、1番人気はここ5年で3連対。しかも昨年、一昨年と2年連続で連対中。大荒れの菊花賞の時代は終わりつつあると見た。
 相手が悩ましい。穴っぽいところを狙っていきたい。
 相手筆頭は○ユウキソルジャー。2600 mの1000万条件戦を勝って、ひと息入れたあとの神戸新聞杯が4着。菊花賞で穴を開ける馬のパターンだ。
 推奨穴馬はラニカイツヨシ、ロードアクレイム、ニューダイナスティ。この3頭とユウキソルジャーのボックス馬券も面白い。

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2012年10月19日金曜日

2012富士ステークス、室町ステークス オレの予想を聞いてくれよ

 菊花賞前日の東京メインは富士ステークス。
 レースのサブタイトルに「サウジアラビアロイヤルカップ」とあるが、何なのだろうか。例によってJRAの特別レース名解説で調べてみると、次のような説明がある。

本競走は、平成19年よりリヤド馬事クラブからサウジアラビアロイヤルカップの寄贈を受けて施行されている。

 ヤド馬事クラブとはおそらくサウジアラビアの馬事クラブで、そこの協賛を得たレースというようなことなのだろう。中東の競馬と言えばドバイのイメージだが、サウジアラビアにもオイルマネーはあるわけだし、競馬好きの王族がいてもおかしくないよなあ。

 さてレースにいってみたい。
 マイルCSの前哨戦だが、今年は有力馬が毎日王冠や天皇賞をステップにするためか、本番で人気しそうな馬はいない。
 その中から、本命は◎ガルボ。休み明けと57 kgはやや心配だが、この相手なら何とかならないか。石橋騎手との相性もよいのか、今年に入ってからの充実ぶりは目を見張るものがあり、マイルの重賞を2勝、安田記念は0.5秒差の5着。前々からの粘り込みに期待。
 推奨穴馬はダンツホウテイクラレント。最内枠と大外枠の2頭が穴か。

 室町Sはマルカベンチャー。展開が向けば差してくる。鞍上も魅力。

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2012年10月15日月曜日

書評 橘玲『亜玖夢博士のマインドサイエンス入門』(文春文庫)

『亜玖夢博士の経済入門』に続く亜玖夢博士シリーズ第2弾。文庫化を待っていた。

 このシリーズは、新宿歌舞伎町の一室に事務所を構える亜玖夢博士が
「相談無料。地獄を見たら亜玖夢へ」
のチラシを見てやってくる依頼者にアドバイスを授けるというかたちで、さまざまな社会科学の知識を解説するという構成になっている。第1弾は経済学がテーマだったのだが、この第2弾ではマインドサイエンスを取り上げている。

 本シリーズが画期的なのは、小説仕立てになっていることだ。亜玖夢博士を初めとする荒唐無稽な架空の人物たちが、あれやこれやと大騒動を繰り広げる。その大騒動の中にマインドサイエンスの知識が散りばめられているのだ。
 ストーリー仕立てで、さまざまな知識や概念を解説するという試みは数多くなされてきたのだろうが、私が知る限り、本書はその成功例の筆頭である。平凡な言い方になるが
「とてもよくできている」
という言葉を使いたくなる。

 マインドサイエンスといってもピンとこないかもしれないが、章立てを見ると内容は分かっていただけるだろう。認知心理学、進化心理学、超心理学、洗脳、人工生命の5章立てとなっている。

 たとえば第1章の認知心理学では、引きこもりの少年が依頼者である。この少年は自尊心が高く、自分の自分に対する評価(自分の知性に自信がある)と、社会の自分に対する評価(引きこもり)のギャップに不具合がある。さて、亜玖夢博士はそれをすぐに見切るのだが、その解決法が…。
 という具合に、各章にヘンテコリンな依頼者が登場し、亜玖夢博士やその助手たちとドタバタを繰り広げる。最後には人類滅亡の危機にまで事態が発展するという荒唐無稽っぷりなのだが、決してストーリーは陳腐ではない。マインドサイエンスを説明するために、面白くないストーリーを無理矢理組み立てているわけではないのだ。ブラックコメディとでもいうような、ブラックでシニカルなドタバタ劇は、マインドサイエンスを抜きにしても面白い。ストーリーとしては、第1弾の「経済学」よりも第2弾の本書のほうがかなりレベルが高かったと思う。
 ぜひ、第3弾を期待したい。




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2012年10月14日日曜日

2012秋華賞、府中牝馬S、清水S 予想の回顧

 土曜の東京メインは府中牝馬S。◎エーシンリターンズは2、3番手からと、予定通りの位置取り。いい感じで直線を向いたように見えたのだが、伸びを欠き、7着。平坦コース向きなのかもしれない。
 土曜京都は清水S。◎サクラクローバーは後方2番手から末脚にかけるが、レースの上がりが33.9秒では5着が精一杯。もう少し流れてほしかった。

 そして日曜は秋華賞。◎ジェンティルドンナは中団から。
 小牧のチェリーメドゥーサが向こう正面から仕掛けて先頭に立ち、4コーナーでは
「もしや」
と思わせたが、動じることなく4コーナー手前からスパートすると、ヴィルシーナをハナ差で競り落とし、三冠達成。三冠すべて同じ1、2着というおまけ付きだった。
 目についたのはヴィルシーナのウチパクの騎乗ぶりだった。何が何でもジェンティルドンナより前で競馬をして、先に抜け出して粘れるところまで粘るという作戦だったのだろう。スタートから果敢に仕掛けていったところに気迫が見えた。
 馬券は大本命とはいえ本線でゲット。

 今週は3戦1勝。GIを獲ったのでよしとしておきたい。

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2012年10月13日土曜日

2012秋華賞 オレの予想を聞いてくれよ

 今週から3週連続のGI。まずは初戦を当てて乗っていきたいところだ。
 その初戦は秋華賞。ブゼンキャンドルの印象が強すぎて「荒れるレース」というイメージが抜けないのだが、近年は堅く収まっている。今年もその流れは続くと見た。

 というわけで、本命は◎ジェンティルドンナ。負けるとすれば、京都の内回り2000 mで「差して届かず、負けて強し」のパターンだろうと思っていたのだが、前走の競馬(2番手から押し切り)を見せられると、それも望み薄か。外枠を引いたので「差して届かず」の心配はなきにしもあらずだが、連は確保するだろう。三冠達成濃厚と見た。
 相手は、当初はアイムユアーズと思っていたのだが、痛恨の8枠。器用に走れる馬だけに、内枠がほしかった。すると、相手は○ヴィルシーナで仕方ないか。面白くも何ともない予想だが、堅く収まるレースもある。◎-○の馬券をガッツリと押さえたい。
 気になるのは、雰囲気がブエナビスタのときに似ていることだ。3年前、ブエナビスタも今回のジェンティルドンナと同様に断然の人気を背負ってこのレースに臨んだが、ゆっくり行きすぎて、最後は強引に突っ込んで降着。3着に沈んだ。そのレースの再現に備えて、ヴィルシーナ-アイムユアーズの馬券は押さえておきたい。
 馬券はこの2点で勝負。

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2012年10月12日金曜日

2012府中牝馬S、清水S オレの予想を聞いてくれよ

 今週はいよいよ秋華賞。三冠牝馬誕生なるかが注目されるが、その前日の東京メインは府中牝馬S。エリザベス女王杯の古馬への開放に伴い、その前哨戦として位置づけられるようになったレースだ。しかしJRAの狙いとは裏腹に、ここをステップに本番を制した馬は、14年前のメジロドーベルまでさかのぼるそうだ。たまに、本番との結びつきがほとんどないステップレースができてしまうが、まさにその典型例と言えるだろう。
 このレースが本番と結びつかない理由は何なのだろうか。秋華賞や天皇賞がメインのステップレースとなっているためかもしれない。これは女王杯のときにまた考察したい。

 さてレースにいってみたい。
 今年は、本番でも人気を集めそうなメンバーが揃った。その中から本命は◎エーシンリターンズ。府中の1800 mは内枠が有利。開幕2週目ならなおさらだろう。前走は人気を裏切ったが、もともと走るときと走らないときがはっきりしている馬。今回は走る番だと独断したい(根拠はナシ)。
 推奨穴馬も内目の枠からアプリコットフィズゴールデングローブ。忘れられた実力馬と3連勝中の新鋭の激走がないか。

 清水Sはサクラクローバー。意外に差しが決まる今の京都の馬場は向きそうだ。

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2012年10月11日木曜日

近江舞子いちご園にサツマイモ掘りに行ってきた

 娘の通っている保育所では、毎年、秋の遠足はサツマイモ掘りである。娘は昨年初めて参加したのだが、面白かったらしく、今年も楽しみにしていた。しかし、久しぶりに風邪を引いてしまい、残念ながら欠席する羽目に。
 そこで、風邪も治ったことだし、先週末に家族4人で近江舞子いちご園にサツマイモ掘りに行ってきた。事前に2株を予約しておいた。締めて700円である。

 さて当日。タイミング良く湖西線の快速がやってきたので、あっという間に近江舞子駅に到着。駅からは子どもと一緒にぶらぶら歩いて、約10分というところか。
 受付を済ませ、いざ芋掘りへ! 与えられた2株をどんどんと掘っていく。みんな真剣だ(特に父が真剣だ)。



「僕も頑張ってます」



掘ること10分、全貌が見えてきた。



 さあ、引っ張れ~



 やりました~。



「僕もとりたいよう~」



「えい!」



ちっさっ。

 家に帰ってさっそく焼き芋にしておやつの時間に食べた。自分でとったお芋は、やはり美味しかったようだ。
 この近江舞子いちご園、名前からも分かるように春にはいちご狩りをやっている。手軽にいちご狩りや芋掘りが楽しめる場所だ。ご近所の方は是非。

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2012年10月10日水曜日

書評 フォルカー・クッチャー『濡れた魚 上・下』(創元推理文庫)

 重厚なドイツミステリー。タイトルの「濡れた魚」とは日本語で言うところの「お蔵入り」とか「迷宮入り」という意味。さていったい、どんな事件が「濡れた魚」になるのか。これは最後まで読んでのお楽しみ。

 舞台は1929年のドイツ・ベルリン。第一次大戦に敗れたドイツの首都が舞台である。主人公はケルンからやってきたゲレオン・ラート警部。風紀課に配属された彼の下宿を見知らぬロシア人が訪ねてくるが、けんもほろろに追い返す。しかし、次にそのロシア人を目にしたのは、遺体置き場だった。このロシア人はいったい誰で、なぜ殺されることになったのか。
 一人でこの謎を追うラート。ロシア人組織、ベルリンの裏組織、警察内部の秘密、さらには秘書との恋。これらが絡み合いながらストーリーは展開する。事実が明らかになるにつれて、つながっていく人脈。そしてその人脈の先にいたのは、何とあの人だった。ラストは、あの人との決着をつけるべく、ラートが一世一代の仕掛けを実行する。
 というのが粗筋。

 私は、ドイツ語が原作の本は何冊か読んだことがあるが、小説は初めてだと思う。
 一枚一枚、皮がはがれるように真実が明らかになっていく、理路整然としたストーリー展開がいかにもドイツらしい。重厚で陰鬱な感じも、ドイツっぽい雰囲気だ。
 次々と芋づる式に新事実が明らかになっていく展開で、ミステリーとしても飽きさせない。上・下合わせて700ページ近い大作だが、止まらずに読み終えた。

 ただ、日本の軽い小説を読み慣れた身としては、少し重たく感じる部分もあった。どでかいランプステーキに、付け合わせのポテトフライとザワークラウトが山ほどのっているドイツ料理とでも言えばよいのだろうか(なんのこっちゃ)。重厚なストーリーをガッツリといきたい人にはお勧めの一冊。




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2012年10月8日月曜日

2012京都大賞典、毎日王冠、オパールS、デイリー杯2歳S 予想の回顧

 土曜の京都メインはデイリー杯。◎マイネルエテルネルは4、5番手から絶好の手応えで直線を向いたように見えたのだが、スパッとは切れず、3着。前残りの展開だったので仕方なかったのか、それとも距離が長かったのか。馬券はハズレ。

 日曜の東京は毎日王冠。◎カレンブラックヒルは大きく逃げた2頭の離れた3番手から。3コーナー過ぎから進出を開始するが、秋山騎手の手が大きく動いており、あまり手応えがよくない。それでも直線では逃げた2頭をかわし、後続の追撃をクビ差でしのいで見事に無敗の5連勝。次の天皇賞が楽しみな内容だった。
 馬券は、2着のジャスタウェイを引っかけて、見事に万馬券をゲット。ラッキーだった。

 京都のオパールSは◎テイエムオオタカが見事に逃げ切ったのだが、エーシンホワイティを押さえておらず、馬券はハズレ。エーシンホワイティが意外と人気していたのに驚いた。

 月曜の京都大賞典は◎ローズキングダムメイショウカンパクオウケンブルースリなどと併せ馬のかたちで4コーナーを回ってきたが、直線半ばで失速。上位の馬に切れ負けした内容だった。復活は厳しいように思う。

 今週は4戦1勝ながら、万馬券を獲ったのだから万々歳ということにしておきたい。

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2012年10月7日日曜日

2012京都大賞典 オレの予想を聞いてくれよ

 京都・東京の開幕週3日間開催の最終日は京都大賞典。前日の毎日王冠に比べると、かなり寂しいメンバー構成だ。メジロマックイーンやテイエムオペラオーが秋の始動戦に選んでいた頃との差が、何だか秋の郷愁を誘う。

 ところで、今秋の土曜・日曜とも、KBSが14:00~15:00に競馬中継を放送していなかった(変わりの番組は必殺仕事人)。2日続けてだったので「これはおかしい」と調べてみると、何とこの時間の競馬中継を廃止したようだ。それは困るぞKBS。いくらJRAに競馬枠を縮小されたからって、この仕打ちはないやろう。見損なった。
 一方、JRAには、それならBS11競馬中継を14:00~15:00も放映してもらわないと困る。この時間、BSで関東系の競馬番組がやっているだけなのだ。関西の競馬をどこで見ろというのか。
 BS11とJRAにはさっそく要望を出しておいた。早期に実現してもらえることを期待したい。そろそろグリーンチャンネルを無料で開放するときなのでは、とも思ったりする。

 さてレース。ビートブラックが回避して、GI馬は2頭になった。そのうちの1頭は4年前の菊花賞馬。それなら2年前のJC馬◎ローズキングダムで勝ち負けになるだろう。正直なところ今秋のGI戦線では勝ち負けまでは厳しいだろうが、ここを圧勝してこの下馬評を覆せるか。
 推奨穴馬はマルカボルトコスモラピュタの2頭。おそらく前に行くであろうこの2頭が怖い。

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2012年10月6日土曜日

2012毎日王冠、オパールS オレの予想を聞いてくれよ

 京都・東京の開幕週3日間開催の中日は毎日王冠。好メンバーが揃った。翌日の京都大賞典と比べると、明らかにこちらのほうがメンバーが厚い。2400 mよりも1600~2000 mに強い馬が集まるのが時代の流れなのだろうが、何だか寂しい。

 ところで
「毎日王冠の『王冠』って何やねん」
と疑問に思ったので調べてみた。長年、何とも思っていなかったのだが、レース名を注意深く観察すると、いろいろヘンなところが見つかるものだ。
 今週も例によってJRAの特別レース名解説にお世話になろうと思ったのだが、ここには「王冠」に関する説明はナシ。アララ。続いてグーグル先生に聞いてみると…これも不発。
「優勝馬主には副賞として王冠が贈られる」
という情報は見つけたものの、なぜ王冠が贈られるのかは謎である。何でこのレースだけ副賞が王冠で、しかもレース名になっているのか…。来年までの宿題としておきたい。

 さて、レースにいってみたい。上にも書いたように、よいメンバーが揃った。1600 mのGI馬5頭に加えて、ダービー馬も出走。GI馬とはいえ近走がイマイチな馬もいるが、それを差し引いても豪華メンバーといってよいだろう。
 その豪華メンバーの中から、本命は◎カレンブラックヒル。現在のところ1番人気だが、春には馬券でお世話になったし、これからも秋山騎手とのコンビを続けてもらうためにも、ここは結果を残してほしい。それにしても、まさか1番人気とは…。
 相手は手広く、と思っていたのだが、1番人気ならそうもいかない。直前まで慎重に取捨選択したい。
 推奨穴馬はシルポート。逃げてナンボの馬が、開幕週の馬場で1番枠を引いた。

 オパールSはテイエムオオタカ

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2012年10月5日金曜日

2012デイリー杯2歳ステークス オレの予想を聞いてくれよ

 今週から京都・東京開催が開幕。本格的なGIシーズンに突入である。さい先よいスタートを切りたいものだ。
 初日の京都メインはデイリー杯2歳S。2歳戦線の最初のGIIレースだ。

 ところで、このレース名の「デイリー」はデイリースポーツというスポーツ紙のことなのだが、新聞の名前がそのまま重賞のレース名になっているのは珍しい。他に思いつくところでは朝日杯、日経賞、毎日杯くらいか。いずれも一般紙だ。
 スポーツ紙では、スポニチ賞や報知杯もあるにはあるが、いずれも金杯や弥生賞のサブタイトル的な扱いである(スポニチ賞京都金杯、報知杯弥生賞、てな感じ)。
 デイリーが大手スポーツ紙以上の厚遇を受けている理由は何なのか。気になるところである。例によってグーグル先生に聞いてみたのだが…教えてもらえなかった。

 レース名の話はこれくらいにしておこう。
 この時期の2歳戦は力の比較が難しい(ほとんど無理)。とはいえ、2歳戦の開始が早まったことにより、少しは予想しやすくなってきているようにも感じる。事実、1戦1勝の馬が今年は2頭しかいない。以前はもっといたはずだ。

 本命は◎マイネルエテルネル。今年の京都は、新年の開催、春の開催ともに、開幕当初は極端な前残りの馬場だった。今回もその傾向は続くに違いない。
「そうすると、内枠の先行馬が面白そうだな」
と思っていたところに、1枠1番にこの馬が入った。狙わない手はないだろう。
 相手筆頭は◎の隣の○クラウンレガーロ。小倉2歳Sのワンツーが再現しないか。
 推奨穴馬は、ハナを切りそうなフジノストロング

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2012年10月1日月曜日

2012スプリンターズS、シリウスS、ポートアイランドS 予想の回顧

 土曜の阪神メインはシリウスS。本命◎ナイスミーチューは中団からの競馬。3コーナーから外をマクっていき、直線ではヤマニンファラオとの一騎打ちを制し、見事に1着。強かった。
 ところが、馬券はヤマニンファラオを蹴飛ばしていたため、ハズレ。なんてこった。

 日曜はスプリンターズS。本命◎ロードカナロアは大外枠から発進し、カレンチャンを見る位置に収まる。コーナーではカレンチャンの後を追うように伸びてきて、こちらも一騎打ちを制して見事にレコード勝ち。外々を回ってマッチレースに持ち込んだこの2頭の力が抜けていたということだろう。
 馬券は、安かったが本線で的中。

 台風の代替競馬の月曜阪神メインはポートアイランドS。
 本命◎オリービンが直線でしぶとく伸びて指し切った。2着のゴールスキーを軽視していたので安くなったが馬連をゲット。

 今週は◎が3戦3勝。馬券こそ1レース取り逃したが、快挙である。この調子で秋のGI戦線を乗り切りたい。

 また、今開催の馬券道場で昇段し、四段に昇格。月曜の代替開催のお陰もあり、最終週に大逆転で昇段した。四段までいくと何か商品がもらえるそうなので楽しみだ。

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 陸上競技をテーマにした作品はたくさんあるが、Two Lap Runnerを主人公に据えたものは珍しい。Two Lap Runnerとは、トラックを2周するランナー、すなわち800 mの陸上選手のことだ。  2人のTwo Lap Runnersが主人公。1人は湘南の海辺に住む、...